日本財団助成事業における不適切な会計処理に伴う助成金の一部返還の内容及び現在実施している対応状況について

2024年3月18日公開

 公益財団法人日本財団(以下、日本財団)のウェブサイトにて公表されている「日本財団助成事業における不適切な会計処理について」というリリースに対して、ご心配とご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
 本件に関して会員をはじめ関係者並びに日本財団の皆様の信頼を損なう事態となり、深く反省しお詫び申し上げます。

 2016年当時の理事会などの組織体制は、全国各地で立ち上がるコミュニティ財団の継続運営を支援するための会員同士の互助組織として運営しておりました。
 しかしながら、組織運営が属人的に行なわれることなど組織体制やガバナンスに課題がありました。その反省をもとに2019年度以降は大幅に体制や執行ルールなどを含めて改善を重ねています。

■現在の運営体制

(1)理事会と事務局の役割の明確化

 2020年に現在の事務局長(当時の肩書は事務局次長)を雇用し、実務体制を強化しています。また理事による執行体制をより強化するために、理事会や理事懇談会の頻度を高め、事業の進捗状況や推進内容の確認を行っています。
 さらに理事の業務分掌を整理し、事業や運営毎に担当理事を決め、複数名での業務執行、事業遂行にあたっています。

 今日に至るまで会員や関係者からの助言なども踏まえ、2019年以降に新たな役員体制で理事・監事の役割を明確化して、業務執行に関する確認・承認、進捗管理ができる組織体制と決裁ルールを定めてきました。

(2)ガバナンス・コンプライアンスの強化

 弁護士と顧問契約を結び、日常的な相談や、理事・職員への弁護士としての視点と事例などをもとに定期的なコンプライアンス研修の機会を設けることで、ガバナンス・コンプライアンス強化に努めています。

 2020年にガバナンス・コンプライアンス担当理事をおき、弁護士、公認会計士を含むコンプライアンス委員会を組織しました。委員会には定期的に業務状況を報告し、意見をもらっています。

 会員に対しても、弁護士や専門家などによる事例をもとにした定期的なコンプライアンス研修を導入し、協会全体として適切なコンプライアンス教育と組織の倫理規範に関する改善、強化に取り組んでいます。

 これからも、役員交代を含め、より多くの人が組織に関わる状況を作り出しさらなる組織強化につとめようとしている状況です。

(3)補助事業・助成事業等における自己負担金についての考え方

 当協会が2019年から現在までに実施している各種事業において自己負担金が発生する場合には、自主事業収入や会費収入から充当しています。自己負担金に関連する会計処理で、内部振替を用いた相殺という処理は一切行っておりません。

■助成金返還への対応

 これまで日本財団と複数回にわたり協議を行ってきました。また対応の方針を決めるにあたって臨時の理事会・理事懇談会を重ねてきました。その状況を、会員向けに説明会を開催し、関係する団体には直接やオンラインなどで状況を伝えてきています。

 日本財団への返還金への対応としては、当協会の規程に基づき、理事会の承認を経て返還に関する特別委員会をつくり、日本財団への返還を着実に進めていくための体制を整えました。具体的には2023年11月27日理事会にて返済等のための特別委員会設置を承認し、返済について具体策の検討を開始しました。また2024年1月10日特別委員会理事より返済について日本財団へ打診し、後日承認され、返済計画も決定しました。

 また今回の事象の検討のために、2024年2月28日にコンプライアンス委員会を開催しました。

■第三者委員会について 

 2024年3月14日に監事の山田泰久氏より会長の山田健一郎に対して意見陳述書(要望書)が提出されました。また会員や関係者の皆様からのこれまでの意見等も踏まえ、同15日に開催されたコンプライアンス委員会で議論を行い「第三者委員会」の設置に向けての提案が理事会になされました。それを受け、理事会では第三者委員会の設置の準備を行っています。
 今後は第三者委員会にて当時の組織体制や倫理感、法令遵守などの状況を含めて改めて検証します。その結果をとりまとめ、原因究明及び再発防止策を含め改めてご報告いたします。

一般社団法人全国コミュニティ財団協会 
会長 山田健一郎

■添付書類

■山田監事の意見陳述(要望書)

■本件に関する問題点の理事会及びコンプライアンス委員会での認識(2024年2月28日時点)