一般社団法人 全国コミュニティ財団協会 会長挨拶
「市民性」「地域性」を核とした地域の新たな資金循環の仕組みを持つ「市民コミュニティ財団」が、2009年に日本で初めて京都に設立されてから10年が過ぎました。
その間、地域の課題解決や新たな価値を生み出す地域コミュニティの成長のための装置として地域特性に応じた様々な市民コミュニティ財団が全国に広がってきています。
市民性をベースとした課題解決や支え合いは、ボランティア活動をはじめ、NPOやソーシャルビジネス等を中心に私たちの社会にとって不可欠なものになってきています。多様な課題領域の中で活動によっては、受益者や制度によるコスト負担が難しいものも多くあり、寄付などの資金によって社会的に支えなければいけないものもあります。
市民コミュニティ財団は地域社会においてそれらの社会的投資と資金循環を促す存在として益々必要性が高まってきています。
そういった状況をふまえて2014年に各地のコミュニティ財団が連携して「全国コミュニティ財団協会」が発足されました。
「市民コミュニティ財団は地域コミュニティの成長の装置であり地域社会のリソースのひとつにならなければいけない」
地域に生きる私たちが、地域と共に暮らし続けられるコミュニティ財団であるために「地域性」そして、「市民性」が大切なのだと思います。
その根底にあるのは目の前の人「当事者」の「困り」をいかに支えられるかという寄り添いや助け合いの理念と実践です。
「市民性」「地域性」そして「当事者性」
現場の「当事者」の想いに真正面から向き合い、具現化できる知恵と力で新しい可能性を切り開く市民コミュニティ財団という存在。そして、その集合体である全国コミュニティ財団協会は加盟団体をはじめ、地域社会の皆さんと力を合わせて、それぞれの地域でそれぞれが望む地域社会が実現できるようにしていけたらと思っています。
また、市民コミュニティ財団は多くの皆様からの寄付を原資に助成を行っていることに鑑み、より一層高い自己規律をはじめ、ガバナンス・コンプライアンス、そしてアカウンタビリティを果たしていかなければなりません。そのためにも協会が果たす役割は大きいものだと考えています。
協会がハブになることで、各地の財団が連携しての全国的なネットワークや仕組みづくり、そして各分野や地域などのあらゆる連携軸の構築が可能となりました。
今後、多様な社会投資を地域と接続させて実効性の高い次のステージに進むために、そしてSDGsにある「誰一人取り残さない持続可能な社会」のために、より一層の努力をしてまいりますので、これからもご支援のほどよろしくお願いいたします。
一般社団法人 全国コミュニティ財団協会
会長 山田 健一郎
会長・山田健一郎プロフィール
1977年佐賀県生まれ、早稲田大学卒。
教育系NPO職員を経て、中学・高校へ勤務。その後、中間支援組織職員・役員となる。佐賀県庁県民協働課へ4年間出向。その後、さが市民活動サポートセンター理事長に就任。国連公共サービス部門で世界一になった「協働化テスト」では事務局として携わりドバイ世界政府サミットにも登壇した。
2013年4月1日に、300万円をこえる市民からの寄付により一般財団法人として佐賀未来創造基金を設立。代表理事を務める。(現在は公益財団法人)。その他、地域福祉活動団体・福祉ネットワークの事務局を務めた経験や地元商店街振興組合理事等の地域の役職も多く務める。
公益財団法人佐賀未来創造基金は、日本ファンドレイジング協会の「第11回日本ファンドレイジング大賞」や地域活性化に成果を上げた団体を地方新聞46紙と共同通信が表彰する「第11回地域再生大賞―コロナ禍を越えて」の大賞等を受賞している。
また、日本サッカー協会(JFA)公認B級ライセンスを持つスポーツマンでもある。