協会が考えるコミュニティ財団とは(市民コミュニティ財団)

<市民性と地域性を大切にする市民コミュニティ財団>

 私たち全国コミュニティ財団協会では、地域を単位とする組織としての「地域性」と特定の企業や個人、行政機関などが設立(企業財団やプライベート財団、外郭組織)したものではない、市民立の組織であること。つまり「市民性」を大切にしています。

 私たちの加盟組織の多くは、京都地域創造基金の設立を契機にして立ち上がっています。多くは、100 名を超える市民寄付を基本財産にしており、市民一人ひとりの課題解決を支える意志がコミュニティ財団を生み出しています。この点を大切にするためにも、私たちは自らを「市民コミュニティ財団」とも呼んでいます。

 また全国を対象ではなく、地域に根差した組織であることも大事にしています。それぞれの地域には、それぞれの文化があり、暮らしがあり、課題があります。それに寄添い、地域のための組織であることを目指しています。そうした「地域性」も大切な要素です。地域に根差した組織だからこそできる役割があり、果たすべき使命があると考えています。

 あわせて、寄付を中心とした資源を仲介することを中心的な機能とすることから、税額控除などの寄付がしやすい措置が受けられる法人格をもつことも条件の一つとして考えています。

<コミュニティ財団の機能>

コミュニティ財団は地域のためになされた寄付を地域の課題解決に活用するための存在ですが、その機能や事業は様々です。
その中で共通的なものとして協会に加盟するコミュニティ財団の多くは、以下の機能をもっています。

【事業指定寄付】

地域で課題解決に取り組む組織の寄付募集などを支援します。その際に、複数のプロジェクトを一緒に見せることにより寄付者に関心のあるプロジェクトを選んで応援できるようにしています。
一部の地域ではクラウドファンディングのウェブサイトとも連携して展開を行っています。

【冠基金・じぶん基金】

寄付者にお預かりしたお金で寄付者自身や家族のお名前や、寄付者が選んだ任意の名前を付けた基金をつくって、希望に沿った課題解決への助成配分などをおこなう仕組みです。
地域によっては同じテーマへ寄付された基金を組み合わせるマンション型基金を立ち上げて運営をしている場合もあります。また、遺言に基づいた寄付(遺贈寄付)などを基にした基金もつくられています。寄付者の意思を尊重し、地域に対しての恩返しや当事者性の発揮のための手段としても活用されていま。

【社会変革を促す企画基金】

コミュニティ財団の方で地域に必要なテーマ(解決が必要な課題や支援が必要な取り組み)を支援するための基金を立ち上げて寄付を集める仕組みです。先駆的な取り組みの認知を広げることや、取り組みを広げることにも効果を発揮します。

【寄付による参加の拡大】

地域の課題解決へ寄付をすることをハードルを下げてより多くの方に社会課題の解決に参加いただくために、様々な寄付の方法開発やキャンペーンなどに企業や行政等とも協働で開発しています。
例えば、指定されたドリンクを注文するとその一部が寄付になる「カンパイチャリティ」のキャンペーンや、従業員の方々が寄付されて額と同額を会社があわせて寄付をするマッチングギフト、募金箱の設置や、カプセルトイなどの自動販売機で購入すると一部が寄付になるなど、様々な方法が試みられています。

【社会課題の可視化や共有】

その他にも、その地域における社会課題の可視化や共有を図るために、社会課題を数字で可視化したウェブサイトや気づいた課題を投稿できるウェブサイトの運営、また共有と解決方法を検討し役割分担する機会としての円卓会議の開催などが行われています。